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私のコンプレックスとポケモン対戦


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  「りこって、“一人っ子”って感じする。」

 

私がこの言葉によって〈傷ついた〉と感じたのは最近のことだ。このことがあって、私が幼少期からずっと閉じ込めていた記憶を、思いを鮮明に思い出した。

 

 今回は、〈一人っ子コンプレックス〉と対戦ゲーム・「ポケットモンスター」であった話。

 

 

 

 小学校の時、“仲間はずれ”は何よりの恐怖だった。TV番組「伊藤家の食卓」で紙とペンを使ったマジックが紹介された次の日、チャンネル争いに負けた私を待っていたのは見ていたクラスメイトが披露し合う光景。“怖かった”と感じてしまうのは、常に大多数に属することが当時の“安心”だったから。そんな流行を必死に追う私には、どうしても取り繕えない話題があった。

 

 それは「きょうだいについて」。

 

このことは当時、越えられない壁のように感じていた。お兄ちゃん・お姉ちゃんがいる友人を「オトナっぽい」と思い、弟・妹がいる友人を「しっかりしてる」と感じるなど。高校に進んでからやっと(一人っ子は珍しくないのか)と思えた程に私の周りには一人っ子が少なく、きょうだいの話題が出るたびに疎外感を感じていた。

 

 「お下がりがなくていいよね」

 (私にとってはお下がりがオトナっぽくて羨ましかった)

 「一人っ子が良かったな〜」

 (私にとっては喧嘩もして遊べる相手が家にいるのは楽しそうだと感じていた)

 

これらは今でも〈ないものねだり〉だと頭では分かっていたが、より顕著に現れた出来事は対戦ゲームだったと思う。ゲームボーイアドバンスではケーブルを使った手軽な対戦ができるようになったし、家庭用ゲーム機もコントローラーをみんなで持ち寄ったりして遊ぶようになった。私には買う機会もなければ練習相手もいないが、クラスではたちまち対戦や交流が始まり、特訓のための約束ができたりした。(その都度、「負ける」ことの悔しさと虚しさは幼心ながら不快だった)

私が持っていたのは、「とっとこハム太郎」などのコツコツ育成する一人用ゲームだったし、操作をすぐ覚えるセンスもなかった。これもないものねだりで説明がつく。

 

 そんな折、“従兄弟の遊び相手”だったことで、私は「ポケットモンスター」を手に入れられた。その頃は週末に従兄弟と遊んでおり、私に少しの負けん気が現れたのでコツコツ育成に取り組んだ。バトルはやはり苦手だったので、素直に攻略本を購入してもらった。ちなみにこの頃、「私は持ってないけど、従兄弟が持っているから内容は知っている」という嘘で輪に居続け、影ではレベル上げに勤しんだ。

 

やっとストーリーもレベルも終盤に差し掛かり、手始めに従兄弟をぎゃふんと言わせてやろうと思ったある週末。従兄弟は習い事デビューが早く、多く、あまりプレイできないとぼやいていたので、たっぷり時間をかけた上での自信はあった。

対戦では圧倒的な戦力格差が生まれ、結果はすぐに決まった。こちらがレベル50だとしたら、従兄弟はレベル100に到達していたのである。惨敗だった。

 

 それからどれくらい経ったのか。私はついにポケモンを持っているので特訓に混ぜてほしいことをクラスメイトに話した。参加できる嬉しさのあまり、従兄弟と対戦した実績も語った。話し終え、間があってから、

 

 「改造って、ウツるらしいし、遊ばない。」

 

と言われた。今ではその意味がわかる。

従兄弟が驚異的な成長をしていた理由は、「プロアクションリプレイを使っていたから」。

 

プロアクションリプレイの説明を従兄弟から聞いたとき、「歩けばポケモンが育つんだ」という、例えるならドラえもんのひみつどうぐみたいに、伊藤家の裏ワザのように、「あると便利なもの」だと認識していた。友達と対戦したことを嬉々として話す従兄弟が何よりも楽しそうだったし、その後も私は従兄弟の弱点のパーティを組むなどして足掻きつつ遊んでいた。当時の私には知識がなさすぎた。ゲーム機の製造元が全てのソフトを作っていると捉えていたほどだ。この件で友達と対戦する機会はなくなったが、その後もプレイ状況を話したり、対戦しなくても楽しめていたはず。

 

 

この記事を書いている間、つまり数週間では対戦ゲームやポケモンを見るたびに思い出すようになった。私の〈一人っ子コンプレックス〉は、自分の知らないことが増えれば増えるほど底なし沼のようで怖かったのだと思う。自分をまるで比べるように、仕分けるように括られたことが辛いと感じてしまっていたのだ。

 

 初めての対戦ゲーム、ポケモンは、私に経験値を与えて成長させてくれたのだなと、今では思います。記事を書きながら、一人っ子やコンプレックスについて様々なサイトを目にした上でも、私は典型的な一人っ子らしさが良くも悪くも染み付いているように感じますが、それはまた別の話…

 

 

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