ゆなの過去を垣間見ることで、少しずつ冥人に染まっていくような感覚。
今回はゆな之譚完結篇、ということで後半です。
アルタン…名前の響きいいですよね。ちなみに結構印象深いです。
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▼黒犬 第三幕
道端に屈むゆなに話しかけると物語開始。
第二幕で名前の出た、人売りの「黒犬」の野営に乗り込みます。
今回こそは己で引導を渡したいと言うゆなに、力を貸すことを約束する仁。
手始めに野営に乗り込むも、そこに黒犬の姿はありませんでした。小舟に乗り込み、護衛の蒙古兵を倒します。
殺気立った2人の方が怖いね。刀を持つゆな、珍しい。黒犬が戯言を並べたかったのか、釈明なのかは気掛かりですが…。
ゆなが名乗り出て、黒犬に詰め寄る。
この黒犬の表情が、すごくいい。聞き捨てならないのは「ゆなが差し出した」という点ですが…。
仁が手助けをする、と言ったのは、ゆなの手で引導を渡す為。
しっかりと気遣う仁さん。
ここまでやってしまえば、アルタンは動かざるを得ないだろう。
ーー仁に向けてゆなが語り始める。
黒犬の言ってたことは本当であること。飯と寝床が貰えると知って、たかも連れて行ったこと。酒を飲まされて眠ったけど、ゆなは見ていたこと。あの時に殺せていれば、たかを巻き込まずに済んだこと。
仁は、此度のことで守られた子もおろう。と言葉をかける。私も…幼少期にそんな決断と行動力があるわけないしな、と思います。
いちの宿に戻るゆなを見送りました。
▼意趣返し 第四幕
いちの宿にアルタンが来て、いちを傷つけた上で言伝を残した、「櫛の境にある野営で待っている」と。仁は「許してはおけぬ、成敗する」と意気込むが、それを聞いたいちは「殺すしか能がないくせに」と呟く。対して仁は「民を守るのが我らの務め」と言い切り、アルタンにも知らせよう、と発言してもいちは納得いかない様子。
あくまでもそれはお侍・仁の務めであり、ゆな(野党)に誇りはあるのかと問う。ゆなは「どうにかするから、約束だ」といちに誓うが、信じられない。と言われるだけだった。
野営に向かう道中、心を捕われているゆなを窘める仁。何も知らないくせに、と話し始めた昔話はゆなといちの関係だった。同じ場所で囚われていちに世話になったこと、命の恩人だったのに、逃げ出す際に悲鳴を上げたいちを見捨てたことを悔やんでいること。
一通り聞いた仁が、戦いの枷になるから過去のことは引きずるな、なんて言ってしまう。ゆなは「そんなこと言われずとも分かってる」のにね。
アルタンがやってきた。
仁はすかさず「数々の所業、悔やむがいい」と構えるが、「笑わせるでない、同胞を手にかけておいて」と返される。仁にとって嫌な「竜三がこちら側についた」話に、少々取り乱したご様子。
アルタンの投げかける言葉は全て痛いところを突くなぁという印象。
“正義の反対はまた別の正義”なんて聞くけれど、それぞれによる悪と善の分別があって、その価値観までは統一できないよなぁ…まで、考えました。
仁さんは絶妙に噛み合っていない会話が好きみたいです。
ゆなの問いかけにいちが「よくやった」という結果の評価だけ伝えたのもミソだと思います。
仁さんは自分の変化に気づいていないようですね。ゆなはある程度いちの真意を汲んだ形で発言してますが。
一番近くにいるゆなに、「外道に堕ちてはおらぬか?」と訊く仁さん。ゆなは、仁の中にある正義を見出して、緩やかに傾斜してきた“冥人”をどう見届けてくれるのでしょう。
ゆな之譚、前後半に分かれましたが四幕全て終了です🏆
次回からはのんびり浮世草していきます!
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