潮時が来ない

一個人の趣味を垂れ流すブログ。何かあれば✉️かTwitterまで!

【完結】「春の呪い」にかけられて


スポンサードリンク

 

 コミック担当がコミックのレビュー記事を作成すると若干の後ろめたさが。

 

今回紹介したいのは、

 即日完売した話題のコミックです。

 

…と、言い切っても魅力は伝わりません。短文では言い表せない作品を紹介します。

POP作成に1週間はかけ、未だに書き直す言葉も見つかりません。

 

 一迅社月刊ZERO-SUMにて現在連載中の、春の呪い。感想記事です。

 

春の呪い: 1 (ZERO-SUMコミックス)

春の呪い: 1 (ZERO-SUMコミックス)

 

 

 作者:小西明日翔 (本誌読みきり・「二人は底辺」)

 

重版かかりまして「期待の大型新人」という帯通り、初の連載作品、初の書籍化です。

まず絵柄が個性的ですよね。周りに薦めると、正直好みではない、という意見も。

そしてこの作品を広くカテゴリ分けすると、“人の愛”になるでしょうか。

恋愛作品と位置づけには軽すぎる、という印象です。内容が濃い、とも言える。

 

 ●あらすじ

 最愛の妹、が死んだ。を中心に生きてきた夏美は「今すぐ会いに行きたい」と思う程にを愛していた。しかしは、親の血筋により出会った婚約者・冬吾を、最期まで好きだった。“奪われた”とまで感じてしまう夏美の前に現れた冬吾は、「姉と付き合ってみてはどうか」という話になったことを告げてきた。夏美は条件を付けて承諾する。「と二人で行った場所に、私を連れて行ってくれませんか」

 

 「の呪い」。妹の死から始まる物語です。

 夏美が端的にを愛していたというには極論すぎるかもしれません。夏美のお姉ちゃん”であることが自分の全てだっただけで、他の選択肢を考えてこなかった。

 冬吾にとってのは、「断る理由がなかったから」という体裁的な交際相手であり、の奥にいる夏美に初めて興味が沸いたから交際をしようと思っただけ。

 遺された夏美冬吾には、キッカケとしてもがいて、そして、死んでしまった。

 そのに対して、罪悪感背徳感を抱えながら二人になった時間を過ごしていく。

 

●オススメしたい魅力

 ●映画のようなシーンにナレーションのような文字量

 ●“春が死んだ”からこそ物語が動いている

 ●”春は死んだ”が、二人の前に現れて離れない

 ●表情ひとつ、読み返すと表情が変化するようだ

 ●それぞれの事情がひしひしと伝わってくる、苦しいくらいに

 ●“愛”に疑問を投げかけたくなる。純粋でなければ綺麗じゃないのか?

 ●端的に言うとそれぞれがそのままで良いはず。

 ●端的に言うと誰も間違っていない。そもそも善悪が存在するだろうか?

 ●話の内容はとても重いそして読者にも、呪いのように余韻を残す

 ●この世界観は説明し難く、そこが魅力の一つでもある。

 ●次号完結

 

“愛されている”・“愛している”ことに気がついて苦悩する、なんて恋愛マンガにはなかなかない描写ですよね。

 

 要するに春の呪いはすごくいいぞ」

 

 *

 

 名義は違いますが作者さんのPixivに試し読みもあります。 

www.pixiv.net

 

 

【追記】

 蛇足かもしれない。でも興奮が収まらないから書く。  

siodoki.hatenablog.com

 

オンナ編第2位!!!!

完結巻である2巻も発売されました(品薄。重版待ち)

 

 

春の呪い: 2 (ZERO-SUMコミックス)
 

 あ、他店で買いました。後悔はしていません
“ 春”との 時間はあくまでも思い出であり、過去であるからこそ、もうやり直すこともできない。今を生きる2人にとって“春”の存在はあまりにも大きく、ぶつけようのない罪悪感に駆られながらも、周囲を取り巻く環境と共にじわじわ追い詰められていく2人。

呪いに飲み込まれてしまうのか、結末は是非読んでもらいたいと思います(ネタバレはないよ)

 何度も読み直してしまうから…!と感想言ってますが、やっぱり1巻から読み直して、「ぁあああこういうことかぁああぁ!!!」となるのが爽快でした。

 

特に最近の漫画の主人公って家庭環境が複雑な傾向にあると思うんですよ。勝手に。

それが正確に影響してたり伏線になるとか、そこまで描かれないことも多いですが、あくまでも「妹の死」から始まる物語に様々な想いがあったこと、それらが描かれたことは奥行きを感じました。

 

まさに、終わります。って結末でした。

終わりがあるということは未来がまだあるということにもなるとか、この結末がが前向きなのか…それらは感じ方によって様々だと思います。

だからこそ、読んでほしい。

受け取り手がいる限り、いつまでもその物語は続くから。