私のNINTENDO64の思い出は、ポケモンに始まった。
「ピカチュウげんきでちゅう」、最高だったね。
もう、マイクを使ってって、画期的でしょうがなかった。
キティちゃんの人生ゲームを1人で進めて、自分の中で本命カーをすり替え
ままごとではぬいぐるみをお客様として脳内会話していた遊びが、
もうね、変わった。
シンデレラが魔法をかえられて超べっぴんさんになってふと呟く
「嘘…これが、私…?!」
そんな感動だった。
ハム太郎にコマンド選択して育てたりの一方的な会話じゃないの。
なんたって、とってもかわいいピカチュウが友達としてやってきたんだから。
コミュニケーションが取れることに感動してもう愛でまくった。
「たまねぎ」っつってんのに、呼ばれたと思ってこっちくるの。
首かしげたりするの。
んで、こっちも「たーーーーまーーーーねーーーーーぎぃーーーーーー」ってなる。
ついに反応して、ピカチュウがとってきてくれる。
もう何もかも好きだった。友達っていうかもう、家族の一員。
もどかしい?愛らしいだよ。もう可愛すぎるんだよ。
私の声に反応して一喜一憂してくれる。感動しかないでしょうよ。
で、もう1つあったのが「ポケモンスナップ」 。
これも楽しかった。
乗り物に揺られて高得点と図鑑埋める為に何回も挑戦する。
気分はプロカメラマン。
「おっ、いいねいいね~いいよ~~」
音声認識もないのにモデル(ポケモン)を褒めて伸ばそうという作戦だった。
半目でもカワイイし、見切れててもカワイイ。
でも評論家オーキド博士は辛口評価。
今見返すと、主人公トオルの髪の毛独創的だな?!
この頃からカメラ、好きになってたなぁ…
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そんな私の始めてのテレビゲーム機、64。
これからももっと遊び倒すゾって時だった。
私と64の別れは突然にやってくる。
家に遊びに来た従弟に64を貸していた。
お迎えが来たのに、コントローラーを放さない。
「64欲しい~!!ピカチュウもポケモンスナップもやりたい゛ぃい!ヴェエエエエエエエエエエ」
別れ際にギャン泣きだった。正直、私もびっくりした。
私はお母さんを見つめる。ねぇどうするの、と。
目があって、言われた。
「…ね?お姉ちゃんなんだし、たくさん遊んだし、いいでしょう?」
あの時の自分のこと、あんまりよく覚えてはいないのだけれど、
でも、私は“おねえちゃん”になることだけは、なんとなく分かってたと思う。
空になったゲームラックと、なくなったソフトを見ながら、必死に涙を堪えたあの日。
私のNINTENDO64の思い出は、ポケモンに終わった。
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