潮時が来ない

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【感想】私と「下鴨アンティーク」


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  去年創刊した集英社オレンジ文庫が気になってはいて、

そんな折「創刊一周年フェア」が開催され対象本を買うと限定マスキングテープがもらえる!という帯を読んで、

まぁ、即買いですよね。(今でもやってるのかな?)

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ランダムでもお揃いになったので店員さんを崇めつつお会計。

マスキングテープ収集癖が出たとも言えますが、なんていうか装丁:井上のきあさんに惹かれた気もする。

 

Illustratorデザインメソッド

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 (´-`).。oO(わたしの愛読書ですね…)

 

動機がやや不純ではありつつも、

今回は著者:白川紺子「下鴨アンティーク」シリーズについて。

 

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

 

 

こちらが第一巻。

大学時代は文学部に所属し古典文学にも浸かった私には、紫式部と聞くと小一時間は意見交換したい衝動に駆られますがそれはさておき。キーワードは「京都」「曰く付きの着物」「古典&西洋文学」「恋」

 

●舞台

 「京都」下鴨にて過ごす主人公の“鹿乃”は、“祖母”の死をきっかけに開けてはいけないとされていた蔵を開け、そこから次々と「曰く付きの着物」にまつわる不可思議な事件に巻き込まれるミステリー。

 

 ●キャラクター

  “鹿乃”→着物が大好き、方向音痴、美少女

  “良鷹”→鹿乃のお兄ちゃん、古美術商、イケメン

   “ 慧 ”→鹿乃の想い人の下宿人、准教授、イケメン

  “祖母”→他界。蔵の持ち主、ツンデレ

  『イケメンと美少女って設定がキラキラして見える(by彼氏)』…まぁ確かに。なんたってお姫様・鹿乃のナイト*1ですから。読書あるあるな「これ誰だっけ?」は個人的に全くなかったです。特徴あるキャラクターがそのまま動いてくれるので、読書中断して戻ってきてもすぐに出てきてくれました。祖母がツンデレの件については後述

 

 ●物語での要素

 タイトルそのまま紫式部

 shiki shiki bun bun !

 文学作品を取り上げるにあたって、当時の時代背景や解釈のされ方、つまり解説は必須です。前知識無しで読めば、謎解き解答編まで「こんなん知らん(覚えてない)!」と投げ出しそうですが、なんにせよ主人公にしっかり准教授ら知識人がサポートしてくれるのでかなり分かりやすく、謎を解く手がかりを渡してくれます。これをきっかけにこれらの題材について触れてみるのも良さそう。

 

 主軸になる「着物」の描写が丁寧で、例えるなら女性にとってのウエディングドレスみたいな憧れが湧いてくる。登場するのもひたすらお洒落で素敵な柄ばかり。物語ではこの「着物」たちの異変を調査で集めた推理とアイテムを使って「見立て(コーディネート)」することで異常を収める、重要な役割。

 

開けてはいけなかった蔵といわくつきの着物には、その所有者だった亡き祖母が密接に関係してきます。もちろん「着物」にもその持ち主だった人の生い立ち(過ごした時間や思い出)があり、想いが宿って、不可思議な事件を巻き起こしている。それらを辿って、集めて、鹿乃は大好きな祖母に近づいていく。それは祖母の素直になれない恋心も関係していて、鹿乃の知らない祖母を追いかけながら、祖母からの宿題提出に励む。

 キーワードとして「恋」と定めたけれど、人間愛にも似たあたたかい感情や物語が魅力です。

 

  ●総括

 講談社オレンジ文庫ライト文芸と謳っている中で、少しのファンタジー要素(非現実)の中にどこにでもありそうな日常が描かれるのは、すんなり読み進められるのでオススメの作品です!続刊では新キャラクターの登場や、ナイトに焦点を当てた描かれ方もします。まったりお茶でもしながら京都気分に浸るのがいいかな?

 

下鴨アンティーク 祖母の恋文 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 祖母の恋文 (集英社オレンジ文庫)